ORGAN VITAL Vol.1
旗揚げ公演 ねむり姫異聞 '91
遠くから それは やって来る 脳の間を跳ねまわる 青ざめた馬たちが
『こんな夜にはね 都市のしじまを 細胞の夢が 徘徊すると言う…』
池島:真珠郎。おれは、お前の声が聞きたい。十四年間お前の目は何も映さず、
お前の耳は、何も聞こうとしない。この地下室で木箱に入れられていたお前の左足は
野良犬に食いちぎられていた。(女の着物のすそめくり)おれは、
ちぎれたお前の足に死んでしまった少女の足をつないだ……・
池島、手術跡の痛々しい女の左足に手を触れる。
池島:死んでしまっ光子の左足だ……。真珠郎、お前の夢のなかにまで、
光子は足を訪ねてやって来るかい?