何の疑いもなく
「いよいよツアーファイナル!Liveだぁ〜!真に会える!ルンルンルン♪」と、
仕事を終え、東京駅から新横浜へ向かう。わくわくわく。
「真横浜」へ「真幹線」で、とか言っていて、「違うから」と怒られたので、
じゃあ、「真のいる新横浜」とか言っていましたが・・・
開演時刻に会場へ到着、最初、間違えて、貸スタジオ?の方へ入ってしまい、
バンドマンがいっぱいいて、かなり気まずかった。
で、やっと会場へ入れば、いきなりKAIKIさんが立っているし。。。
で、久しぶりの人々とか友達と「おおっ」とかしながら、ホールに入って、
当然、上手に向かう。「ん?人少なくないか?(^^;)」
もう開演時刻なのに・・・な〜ぜに、スイスイと。。。友達のところへ到着。
わいわいガヤガヤ、奈良の報告したりして大笑いな一時。
なので、ステージ上のセットとか、まったく、目に入っていなかった。
ケイがギタアチェックしているのも、見慣れた光景ではあったので、
視界の片隅に入るのみ、が、ん?何かちょっと違和感を感じたけれど、
(後で思えば、ギタアが違った・・・)
話に夢中で、確かめもせず、気にしなかった。
そして、いよいよ、客電が落ち、SEが流れて・・・
と、ん?
登場した直が、こっちへ来る。。。ん?受け狙い?
が、かなり真面目な顔してる。。。え?ギタアもって、合わせているよ・・・
え・・・ええっ!
足元のパットを見た!
モニターに隠れて在るのだと思っていたら、違った。
そこには、見慣れた真の青がなくて、見なれないセットが、見なれない位置にあった。
「な、何?!何なの?!」パニックというより、真っ白。
思わず、「どういこと?!」と、とっさにケイを見てみたら、
ケイがじっとこちらを見ていた・・・
いつもなら、お互いに、それですぐにそろそろと視線を外すのに、
しばらく見合ってしまった。
それでわかった。真は、もう、出て来ない・・・。
「爛」が始まってしまって・・・何をどう受け止めたらいいのか、
まったくわからない。
直を見る、紺を見る・・・曲は頭に入って来ないよ!
だけど、どこか冷静に、セットリストを確認。
「爛」の後すぐに「MC」となっている。
で、いつも「MC」となっている個所にはそれぞれ「一言」ってなっていて・・・
とにかく、MCを待つ。そうしたら、何かわかるから・・・
そして、目の前の直を見つめた・・・
必死に平静を装って、プレイしているのが、すごくわかった。
この真ファンの前で、直、辛いよね。プレイするの、辛すぎるよね。
「針の筵」じゃない・・・。
そう感じたら、私は、受け止めなきゃと思った。
こうして、今、La’MuleがLa’MuleのLiveをしている。
La’Muleファンとして、そして、何より真ファンとして、
しっかり受け止めなきゃ!Liveしなきゃ!って。。。
そして、MC。言葉のすべてを覚えているわけではないけれど、
「ご覧の通り、4人です・・・前から意見の違いがあったんだけど、
ミーティングをしてきたけれど、こういう結果になって、
いきなり過ぎて・・・どうするとか、どうやっていくとか、
考えられない状態だけど、とにかくLiveをもうとばしたくは、
なかったから」
わかったことは、もう真がいないということ。
そのMCの中で、『真』と言う名は、一度も語られなかった・・・。
それで、十分だ。
みんな・・・・言葉がない。すすり泣きが起きる・・・
私は、唖然として・・・だけど涙も出ない。
まず思ったのは、「真、何でこんな、辞め方したの!?」
「この状況(4人でLiveしている)は、どっちのせい?!誰の意志?!
バンド、そして紺の意志?!真の意志?!一体、どっちなの?!」
様子を伺った・・・でも、それも一目瞭然な気がした・・・。
あなたの意志、そうなんだね、真・・・。
どういう理由であれ、どういう話合いがあったにしろ・・・
あなたが決めたんだね。ファイナルをまっとうせず、姿も見せずに去ることを!
と思った。
(今、こうして、振り返って書きとめてみると、選択肢がもうひとつ・・・
KAIKIさんというのもあるね)
ほんの8日前には、あなたは飄々と存在していたよね。
今日、この日、こんなことが起こるなんて、ちっとも見せず、
「じゃあ、ファイナルで」とまできいた子もいる・・・
その時は、まだ、La’Muleでいるつもりだった?
それとも、去る決意をしていて、ファイナルは勤めるつもりだった?
それとも・・・
年末からの、あなたの様子が変だったこと・・・
それで一番恐れていたこと・・・
それが、こんなに早く、こんなタイミングで、起こってしまうなんて。
そんなことを考えながら・・・目前では、いやおうなくLiveしている。
真のいないLa’Mule・・・
セットリストには、あなたの創った曲が並ぶ・・・
だけど、あなたの、リードギタアは聴こえない・・・。
私は、いつもと同じ場所にいるのに、見えているものが全然違う、
ギタアが違う。指が違う。姿が違う。顔が違う。当たり前。
真はいないんだ・・・。
ごめんね、直。そんなわかり切ったことを、何度も何度も繰り返す・・・。
ごめんね、直。それでも、今日だけは許して下さい。
ギタアソロのタイミング・・・いなくったって、きこえなくたって、
身についてるものは仕方ない・・・「真っ!」拳を上げる・・・
ごめんね、直。
たまらずに背けた視線の先には、遊哉のぼ〜っとした瞳があった。
それから遊哉は、天を仰いで・・・泣いているの?・・・
紺ちゃんは、顔を上げられないでいる子をじっと見つめている・・・
でも、どうしようもないよね。
私達が、この場から去ってしまえれば、良かったのかも知れない。
だけど、出来なかった。
去ってしまったら、もう、本当に、真のいないことを認めてしまうことになる。
みんながそう思っていたわけではないだろうけれど・・・
私は、そう思っていた。
まだ、いさせて・・・真の場所、私達の場所、いさせて!
今、「私達の居場所」、なくなっちゃおうとしている・・・
だから、ごめんね、直。
思いきり、ヘドバンをした。みんな、思いっきり、ヘドバンをした・・・。
そう、そうしていれば、いつもと同じだから。
真はステージにいるはずだから!真の「姿」感じていられるから!
「ナイフ」・・・真のコーラス・・・。
いつもの様に手を差し伸べる・・・
直の瞳とぶつかってしまった・・・直、何を思ってますか?
何を思っていても、ごめんなさい。
今日のあなたには、謝ることしか出来ません。
そして、本編が終わった・・・。
しずしずとアンコールがかかる。
私達もアンコール!。何だか、よくわからなかったけれど、
とにかく、アンコール・・・これ以上、何を確認したい?
「真と呼んじゃ、いけないですか?」泣きながらきいた友、
「ううん。いいよ!今日はいいよ!呼ぼう!」
ごめんね、La’Mule。私達にも、ケジメが欲しい!
『真ーっ!』
叫んでも虚しさが募るだけ。でも、叫べるのは今だけ・・・。
私は、本当は、こう叫びたかった。「真!出て来いっ!」
「アンコールがかかるとは思ってなかったから・・・」
出てきた紺は、そう言った。
最後に、やっと直が笑顔になった・・・
私も、自然と笑顔になっていた。
「よく、頑張ったね。直!そして、La’Mule!そして、自分」そんな想いで・・・
気づけば、威介も、じっとこちらを見ていた・・・
真ファンを心配してくれていたのならありがとう。
そして、Liveは終わった・・・。
私は、真ファンな仲間、心配して声をかけてくれる仲間、みんなに会いながら・・・
次第に、悲しいとか、寂しいとかの感情より、怒りの感情が勝ってきた。
そう、どうして、こんな辞め方しか出来なかったのか、
真は、こんな奴じゃなかったはず!なのに!なのに!
いいよ、私達真ファンは、あなたのファンだから、まずは、とりあえずいいよ。
だけど、何?!
メンバーに、La’Muleに、そしてLiveを楽しみに来たみんなに、
こんなに辛い思いさせて、不安にさせて、裏切って、
あまりに失礼だよ、真!酷過ぎるよ!
何人かの真ファン以外の友は「真君もそれだけの理由があったんだろうし」と、
声をかけてくれた・・・
だけど、私には、それが、もっと辛かった。
言ってくれていいよ「酷いよ!」って・・・その方が楽だ・・・。
(とは言いつつ、ダイレクトに「酷いよ!」って言ってくれた人もいた。
それはそれで、やっぱり、かなりきつかったけれどね・・・)
だから私は、気遣ってくれてのそんな言葉にも、うなづけなかった。
もちろん、真の気持ち、そうせざるを得なかった気持ちがあるだろうことは、
痛すぎるほどに感じているから・・・
真ファンとして、真ファンだからこそ、真のしたことを納得しちゃいけない。
そう、周りに対しては・・・
真の代りに、謝って回らなきゃいけないような気にさえなっていて・・・
とにかく、自分自身の「想い」より先に、目に見えている状況で、
いっぱいいっぱい。私が怒らなくってどうする!
そんな気がして・・・。冷たい言葉になっていたのは、ごめんなさい。
そして・・・
知らぬ間に、最後の方まで残っていた人々になってしまっていました。
そして、先にお店に行って、待っててくれた友と、ご飯を食べて、
帰路についた・・・
そして、一人になって、初めて・・・安心して・・・やっと「真」のことを想った。
「真」のことだけを、思いっきり想った・・・。
喪失感。寂しさと、悲しさが、じわじわと押し寄せて来て・・・
切なさの固まり・・・真、どうしちゃったの・・・
もう、音楽、辞めちゃうのかな・・・
真・・・淋しいよ・・・
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