Brian Jones

そして、天使が浮かんでいた……

 

 

 

 

 

 

 

神様

彼の名をきいて、どの位の人が、
彼を知ってくれているのだろう? 
私が、彼を知った時、
彼は、既に呼吸をしていない人になっていた。
だけど、出会ってしまった。なぜか、出会ってしまった。
 
姿さえなくしている彼に、どうして惹かれ、
募る想いに涙できるのか、
必然だと感じた。 
そして、彼は、私の最愛の人となり、
ある言葉は、彼に封印してしまってある。

BRIAN・JONES、
かのROLLING・STONESの創始者
である。

けれど、彼自身の問題で、手放さざるを得なくなった。
1942年2月28日に生を受け、
1969年7月3日に呼吸を止めた。

「そして天使が浮かんでいた……」

とは、自宅のプールで発見された時の光景を、
ストーンズフリークの山川健一氏が表現した言葉。
そう、天使は、ドラッグ漬けの変死扱いで、
浮かんでいた……。
自らの意志だったのか、事故だったのか、
それは、誰にもわからない。
それは、多分、BRIAN自身にも、
わかっていなかったのかもしれない。

勝手な逆恨みだとわかってはいても、
ミックにキースは、許せない私…。
彼の後任には、「ブロンドのギタリスト」にこだわって、
ミック・テイラーを加入させてみたけれど、 
結局、彼も潰れてしまった。そして、こだわりも外し、
ロン・ウッドが入ってしまった…。
彼にこそ、全く恨みはないけれど、
似合い過ぎて辛い。痛いほど、辛い。

ストーンズの来日が決まって、どうすべきか、結構悩んだ。
行くべきか、行かざるべきか。
悩んだ末、行くことにした。
しっかり、見つめてみようと思って。
行ったらそれなりに楽しかったけれど、
彼のSTONESだった頃の曲になったら、
たまらなかった。

涙が溢れてたまらなくなった。

だって……彼がいたのです。
ステージの端の方に、小首をかしげて、
彼が立っていたのです。
だけど、誰も見ていない。誰も彼に気づいていない。
それがたまらなかった。
涙の止まらぬ私を、
一緒に行っていた親友が心配して気遣ってくれた。 
忙しいのに、夜も遅くまで付き合ってくれて……
後できいたところによれば、


 このままでは、
    
BRIANに連れて行かれてしまう

と感じたそうです…… 
確かにそうだったかもしれません。
それで本望だったかもしれません。

私は、いつでも、いきたいのです……。


そう、イキタイノデス。

だけど、時は満ちていないから。
私の時は、まだ、満ちてはいないから。
彼の時は満ちたのに。
これこそが、私の根底に流れているもの。 
最愛なるBRIAN、あなたに、
トミーも任せてしまって安心しています。

そして、私は、待っている。


時の満ちるのを、とても楽しみに待っている。